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2021年6月24日更新

勤怠管理アプリを自社開発、導入しました

2020年入社の1年目社員2名が作成

アートシステムでは、常に新しい技術にアンテナを張り、年次問わず社員全員が挑戦しやすい風土があります。また、会社を良くしたいという提案は常に受け入れられる間口があります。

新技術研修の一環として、Microsoft社のPower Platformの機能の一部、Power Appsを使用したアプリを1年目の社員2名が開発しました。
社員の勤怠管理はExcel入力だった従前の方法から、スマートフォンアプリで簡単に入力でき、報告申請ができる仕組みを新入社員が構築・開発、自社に導入しました。

今回は、開発から導入に至るまでのエピソードや、今後の展望を開発者本人のHさんとW君に聞いてみました。

実際の画面

今回の開発を実施することになった背景を教えて下さい

Hさん:最初は全社で使うことは想定されておらず、新技術研修の一環で勉強をしようと、私たちが指名されました。

どんどん作っていくうちに、これは社内で使えるかも、と上司が会議で提案したのを皮切りに、いいんじゃない、全社に出そうか、という話になりました。

今回開発した勤怠管理アプリの特徴を教えて下さい

W君:僕が考えて開発したアプリというよりは、自社でしか使わない前提なので社員から要望が来次第、それをどんどん追加していく開発でした。
例えば部長がこの機能ほしいといえばそれを作っていく、そういう開発の流れだったので、みなさんが使いたいと思う案を出してくれたときに、すぐに実装することができることです。
それが特徴だし、より良いものにみんなでしていく感じです。

管理者側の画面

あとはカレンダー画面、管理画面を作りました。さらに社内から上がる意見を機能としてつけ足していきました。
自分たちが出した意見、同期や上司からもらった意見、 受けた要望をどんどん実現していきました。

Hさん:いままでExcelで提出していた既存の勤怠管理の提出方法を、アプリにおとしこむ、アプリ内で完結させることを目的に要件定義しました。

要望は多かったですか?

W君:100個以上はありました。
要望が出てきても、その要望の期待値を超えるように常に意識していました。 10までできればいいことを、60までやったり。

当初は研修が終わった新人でIT系の業務未経験だったと伺いましたが、知識はどのように習得し、開発に役に立てましたか?

Hさん:開発に入る前に、参考書籍1冊を勉強しました。テストアプリを作成したり、簡単な作り方は覚えました。
そのあとはMicrosoft公式のドキュメント、ほとんどありませんが先人が書いた記事を読みました。
調べてもどうしても分からないことはMicrosoft社に問い合わせをしました。
最終的にはMicrosoft Power Platform Fundamental (PL-900)の資格を取って自分で詳しくなりました。

W君:外国の方でPower Appsの解説動画をあげている方がいて、それを参考にしました。
操作とコードは同じなので、英語を日本語訳しながら用語を検索し、記事を見つけていました。
わりと同じところで躓いている人は多くいて、その方たちの回答や解決方法を地道に見つけていきました。

なぜ数あるアプリ作成ツールの中からPower Appsを使用することを決めたのでしょうか?

W君:アートシステムではJavaやC#などのプログラミング言語を主流にシステム開発をしてきました。
今回は、今後広がっていく開発手法を見据え、ローコード開発を課題として取り組みました。

Hさん:別の社員がShare Point関連のシステム開発に携わっており、同じPower Platform内で、Power Appsが面白そう、というのもきっかけです。

制作中の苦労やプロジェクトの進め方はいかがでしたか?

Hさん:増えていくみなさんの要望については焦りましたし、終わらないと思いました。

あとは、Power Apps自体が新しい技術で、内容はどんどん更新されます。あった機能がなくなったり、使えなかった機能が突然使えるようになったりします。

さらにJavaやC#などとは比較にならない程、前例や文献の数が少ないです。

どこを調べてもわからない、初めて遭遇するエラーも少なくなかったので、原因の特定が大変でした。

印象的だったのが、全社導入を左右する重要な幹部向け説明会の前日に、フローが異常な動作をするようになって、ギリギリでエラーを修正できたことです。

上司も巻き込み一緒にコードを見てもらい、何時間も全員で参考文献を調べ試行錯誤しました。Microsoft社に問い合わせても分からない。英語文献にも載っておらず、本当に焦りました。
あきらめかけていた時、やっとエラーが見つかって修正できました。
その甲斐もあり、説明会は無事終了し、社長判断で全社導入が決定しました。

あの時の安堵感と達成感は今まで味わったことの無いもので、決して忘れられないと思います。
ここまで頑張ってよかった、と心から思いました。チームで作り上げる喜びや楽しさ、上司をはじめ助けてくれた人への感謝の気持ちはシステム開発の醍醐味のひとつだと思いました。

納品物の品質はいかがでしたか?

W君:全社リリース時点では、なかなか素晴らしいものができたのではと思いました。

リリース後、社員のみんなからの意見は勉強になりました。
多くの人はこのアプリで位置情報を用いていることに対して賛否両論がありました。
位置情報は在宅勤務を行っている社員を対象に使う予定で、開発中は特に気にしていなかったことなので、意外でした。

カレンダー画面

Hさん:制作初期に書いた処理や、直したいけど直せないところをいつも作り直したいと思っています。今リリースされているから直せませんが・・・。

あとは、社内で上がってきた要望を実現するのがこの勤怠管理アプリの特徴ではありますが、反面、機能として盛り込みすぎている点も処理の重さや不具合の発生につながっているとは思います。
しかし、これらは初期段階ではわからず、制作してリリースしてはじめて知ったことでした。

今後のサービス展開について教えて下さい

Hさん: まだ具体的なものはありませんが、 Power Platformを使って開発部では何か新しいもの作れたらいいよね、とは話しています。

アイデア次第でアプリができるし、勉強にも趣味にも使えます。

もし今後また新入社員が開発してくれたら面白いと思います。
私もかつてシステム開発未経験でしたが、勤怠管理アプリを制作できました。
いろんな壁にぶつかっていくうちに、プログラミング知識はかなり身に付きました。

まだ新人だった私たちに、会社がこのような経験をさせてくれて、とてもありがたいと思っています。

W君: 個人的に思うのは、例えば数十人のセミナー開催時の参会者把握、座席確保、事前に席を取る、キャンセル、当日席を取る、そういうことがアプリで作れると思います。
僕自身、プログラミングは未経験の新卒で入社し、ゼロから勉強して今では一人でPower Appsでアプリを短時間で制作できるまでになりました。

今後、仕事としてもPower Appsの開発はできますし、社内でも使えそうなので、今回の勤怠管理アプリ開発で身に着けた技術を多方面で活かしていきたいと思います。

貴重な経験をさせて頂いたと思いますし、入社してよかった、と思います。


直属の上司につきっきりで教えてもらって、というより開発した二人が自発的に調べ、学びトライ&エラーを繰り返して上司と一緒に作り上げてきた、という印象を受けました。

また、新入社員にこのようなチャレンジの機会を作ることが、アートシステムならではだと感じました。

アートシステムでは、今後も新しい技術を取り入れ、社員にどんどんチャンスを与えていきたいと考えています。